==================▼今日の一口メモ▼==================
もうすぐ成人式ですね。 最近では着物を着ることが少なくなってしまいましたが、これからの季節、 成人式や卒業式には、艶やかな着物姿を目にすることが多いですね。 今回は、着物についてのあれこれをお話しましょう。
以前、着物を着る前、着ている時、後片付けまでの注意ポイントの メルマガをお届けしていますので、バックナンバーをご覧くださいね。 『和装の準備と後片付け』 http://www.craft-kyoto.net/page/21#8
最近の若いお嬢さん達は、洋服感覚の自由な発想で着物を楽しんで おられるようで、若い人たちが着物に馴染み、着物を楽しまれる事、 それはそれでステキなことだと思います。 でも、日本人として、着物の基本的な約束事も、一応の知識として、 頭のどこかに置いておくことも必要なんじゃないかな? かく言う私自身、今回、この原稿を書いていて、初めて知ったことも たくさんあったんですけどね。
●知っておきたい着物用語 ▽身丈(みたけ) 仕立てられた着物の長さ。後ろの衿の付け根から裾までの長さ。
▽着丈(きたけ) 着付けた時の着物の長さ。着た状態で、後ろの衿の付け根から 裾までの長さ。長襦袢やコートは、この着丈が身丈となります。
▽裄(ゆき) 背中の中心線から袖の端(手首)までの幅。 長襦袢、コート、羽織など、着物と同じ裄に合わせる必要があります。
▽袖丈 袖の長さのこと。袖丈の長いのが振袖で、年齢や着物の種類に よって異なります。 長襦袢と着物の袖丈が違っていると、格好の悪いことになります。
▽袖幅 袖付け(肩の袖の縫い付けられている部分)から袖口(手首の出る 部分)までの長さ。
▽袖下 袖の後ろ側、袖付けの下端から袂(たもと)の底までの部分。 先に書いたように、着物と長襦袢の長さが合っていると、袖下から 見える長襦袢との重なりがきれいに見えます。
▽身八つ口 子供や女物の着物の身頃の脇の開いた部分のこと。 着付けの時は、ここから手を入れて、後ろ身頃と前身頃を整えます。 また着崩れを直す時は、ここから手を入れて、衿などを整えます。 男性の着物にはありません。
▽上前(うわまえ) 着物の場合は、左身頃が上になるので、左前身頃のこと。 ▽衿先 着物の衿の一番下端の部分。
▽衣紋 首の後ろの衿回りのこと。 衿を後ろに引いて、うなじを見せることを衣紋を抜くと言います。 衣紋の抜き加減で、着物姿のイメージが変わります。
▽おはしょり 女物の着物の身丈は着丈より長く仕立てるので、その長い分を、 胴の部分でたくし上げて、長さを調整します。このたくし上げた 部分のこと。お端折りと書きます。着付けの大切なポイントでも あります。
●着崩れの直し方 ▽襟元が乱れて、長襦袢の半衿の左右の出方が違ってしまった場合 見八つ口から手を入れ、襦袢の衿を持って引っ張ります。 必ず鏡の前で、左右のバランスを見ながらしてください。
▽後ろの衿が首に付き、うなじが詰まった感じになった場合 (衣紋が詰まって、前の衿が開いてしまう) 後ろの帯下から、背中の中央の着物の縫い目を両手で持ち、 下へ引っ張ります。その後、おはしょりを整えます。 おはしょりにシワが出来た時は、バランスよく両脇に寄せます。 長襦袢の衿が詰まってきた時は、着物の裾をまくって、腰紐の下の 長襦袢中央部分を、下へ引っ張ります。
▽上前の裾が下がった場合・後ろの裾が下がってきた場合 上前は、下前より少し上がっているのが普通。下がってしまうと 格好が悪いので、おはしょりを上げて、腰紐の上側の部分から 上前を引き上げます。 後ろの裾が下がってきた場合も、後ろのおはしょりの腰紐の上の 部分を引っ張ります。その後、帯のたれが上がっていないか確認 するのを忘れないように。
▽お太鼓の乱れ 帯のお太鼓のたれの長さが乱れた場合は、お太鼓の中の帯締めで 締めている部分の上(たれに繋がっている部分)を引っ張り上げます。
▽帯が緩んだ場合 帯と胴の間に、ハンドタオルやタオルなどを挟み込みます。
▽袂から長襦袢が出てきた場合 長襦袢と着物の袂の隅を、安全ピンで留める、ちょっと縫い付ける などの応急処置を。 基本的に着物と長襦袢が合っていない時に起こります。
●女性の着物の種類と格 ▽第一礼装 冠婚葬祭や正式な式典や儀式などで着る着物のこと。 紋がついていることが原則です。 ・留袖 黒留袖と色留袖があり、五つの家紋を染め抜き、鮮やかな裾模様を ちらした着物です。 黒留袖はミセス、色留袖は未婚、既婚を問わず着ることができます。 ・振袖 成人式でおなじみの振袖は、卒業式、披露宴など、未婚女性の第一 礼装です。袖の長さによって、大振袖・中振袖・小振袖があり、現在 一般的に着られているのは中振袖です。 ・喪服 無地の生地を黒く染めたもので、五つの家紋を染め抜きます。未婚、 既婚を問わず、喪の第一礼装。 準礼装として、色喪服などもあります。
▽略礼装 第一礼装は大げさ過ぎるけれど、披露宴や式典、パーティなど、 正式な場に着用出来る着物。 ・訪問着 既婚、未婚を問わず着ることの出来る略礼装の着物です。 華やかな絵羽模様で、現在、紋は背中に一つ紋が主流となっています。 ※絵羽模様とは 広げると、全体が一つの模様となっているもので、襟や脇など、 縫い目でも、模様が繋がっているのが特徴。 ・付け下げ 訪問着との違いは、模様が繋がっておらず、着た時に、模様がすべて 上を向くように描かかれており、訪問着に比べて模様が少なめです。 戦時中、派手な訪問着が禁止された時に生まれた着物なので、訪問着 よりは格下とされていますが、同様の場で着ることができます。 ・色無地 その名の通り、生地を黒以外の一色で染めた着物のこと。 紋を付けると、吉凶両用の略礼装となるので、一枚持つという時は、 少し地味目な色合いにすると便利でしょう。入卒業式、お茶席、 披露宴、仏事、パーティなど、様々な場所で着ることができます。 紋のない場合は、おしゃれ着となります。
▽おしゃれ着 ・小紋 着物全体に、模様を型で繰り返し染めたもの。京小紋、江戸小紋、 加賀小紋、紅型(びんがた)小紋など、様々な種類があります。 礼装ほど大げさではなく、またカジュアル過ぎず、観劇、クラス会、 ちょっとしたお祝いのおよばれなどに。 江戸小紋については、紋が付いていれば、色無地と同格と言われ、 準礼装として考えて良いそうです。 ・紬 その昔、養蚕農家が商品として出荷できない屑繭を使って、家族の ために作ったことから始まった織物。 糸の状態で染めてから反物にする「先染め」の着物で、地方によって、 つむぎ方や織り方に特徴が生まれました。 元々は家族用の着物だったので、普段着とされてきましたが、今では、 その素朴な風合いと伝統技術が高く評価され、高価なものとなり、 お洒落着や社交着としても着られるようになりました。 ・浴衣 平安時代のお風呂は蒸し風呂で、高貴な方々しか入れなかったんだとか。 その入浴時に着た麻の単(ひとえ)を、湯帷子(ゆかたびら)と呼び、 それが浴衣の語源なんだそうです。 江戸時代になると、木綿となり、一般庶民が風呂上りに、バスロープ として着るようになり、今に至っています。 今では、すっかり若い人たちのイベント着として定着していますね。
●紋について ・五つ紋:第一礼装 背紋(背中の中心)・両袖後ろ・両胸元の五つ ・三つ紋:略礼装 背紋・両胸元の三つ ・一つ紋:略礼装 背紋のみ ・染め抜きの紋:白く染め抜いた最も正式な紋 ・繍い紋:刺繍した紋で略式 ・日向紋(陽紋):紋の形そのものを染め抜いたり刺繍したもので正式。 ・陰紋:紋のラインだけを染め抜いたり刺繍したもの ※紋の数が少ないほど格は下がりますが、着用できる範囲は広くなります。
●帯の種類 ▽丸帯 普通の帯の2倍の幅のある帯を二つに折り、中に芯を入れて仕立てた もので、戦前までは、最も格式の高い帯とされてきましたが、結び にくく解きにくいため、現在では、婚礼衣装など、ごく一部で使われる だけとなっています。
▽袋帯 明治時代に、丸帯の代用として考案され、袋状に仕立てられた帯。 模様は表側のみで、内側になる面は無地となっています。 錦や金欄で織られたものは、礼装、準礼装などフォーマルな帯として 用いられており、二重太鼓に結びます。 軽い感じの模様なら、単太鼓に結んで、おしゃれ着用としても。 ▽名古屋帯(九寸名古屋帯) 大正時代に名古屋の女学校の先生が考案した帯。 お太鼓の部分は普通の幅で、胴の部分は半分に折って縫い合わせて 仕立てられています。 単太鼓に結んで、おしゃれ着用として用いられることが多いですが、 種類が多く、礼装用として使えるものもあります。 ▽袋名古屋帯(八寸名古屋帯) 袋帯の仕立ての簡単さと、名古屋帯の軽さを持ち合わせた帯。 軽くて締めやすく、主におしゃれ着用として用いられます。
▽半幅帯 普通お太鼓帯の幅は8寸ですが、その半分の4寸幅の帯のこと。 普段着用、浴衣用として用いられます。
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